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2014-01-05
「超教養講座」アーカイブ
花粉症は人の進化と文明の病
~ダーウィン医学にみる人間と病気の不思議な関係
北海道大学理学部 教授 栃内 新
花粉が舞い飛ぶ春を、憂鬱な気持ちで迎える人も多いことでしょう。いまや、日本人の3割以上の人が花粉症に悩まされているともいわれています。その花粉症、スギ花粉の増加など環境の変化が大きいのですが、人間の進化も大きくかかわっていることがわかってきました。私たちは進化の過程で免疫という優れた防御機能を身につけのですが、それが利きすぎた状態が花粉症なのです。ダーウィン医学は、こうした進化と病気の不思議な関係を探る学問。人の体に起こる不都合を、進化という視点から捉えなおすことで、さまざまな新しい発見をもたらしました。将来の治療法開発につながると期待が高まっています。