タグ:花粉症
2014-03-30

「超教養講座」アーカイブ

越境物質「黄砂」が運ぶもの」
~砂漠からの旅人は“悪者”なのか?

福岡大学理学部 教授 林 政彦

黄砂は大陸の砂が風で巻き上げられ、日本まで飛んでくる現象です。「洗濯物が黄砂でダメになった」など一般には“やっかい者”とされており、近年では、花粉症の症状をひどくするなどともいわれています。その一方で、「中国大陸で発生した汚染物質を黄砂が中和して被害を抑えている」、また「黄砂は地球の温暖化を抑える働きをしている可能性もある」といった研究もされています。このような黄砂に関する最新の研究成果を福岡大学の林政彦先生に解説してもらいましょう。

2014-01-05

「超教養講座」アーカイブ

花粉症は人の進化と文明の病
~ダーウィン医学にみる人間と病気の不思議な関係

北海道大学理学部 教授 栃内 新

花粉が舞い飛ぶ春を、憂鬱な気持ちで迎える人も多いことでしょう。いまや、日本人の3割以上の人が花粉症に悩まされているともいわれています。その花粉症、スギ花粉の増加など環境の変化が大きいのですが、人間の進化も大きくかかわっていることがわかってきました。私たちは進化の過程で免疫という優れた防御機能を身につけのですが、それが利きすぎた状態が花粉症なのです。ダーウィン医学は、こうした進化と病気の不思議な関係を探る学問。人の体に起こる不都合を、進化という視点から捉えなおすことで、さまざまな新しい発見をもたらしました。将来の治療法開発につながると期待が高まっています。

2013-12-11

フロントランナー

世界最大の鳥・ダチョウがつくり出した
インフルエンザ・花粉症を撃退する“夢の抗体”

京都府立大学生命環境学部 教授 塚本 康浩

インフルエンザの季節がやってきました。しかし、そう遠くない将来、「インフルエンザが脅威ではなくなる日」が来るかもしれません――。京都府立大学の塚本教授は、ダチョウの卵でインフルエンザなどのウイルス抗体をつくる技術を開発。従来よりも効果的で格段に安くつくることができるそれは、「画期的な方法」として世界から注目を集めています。ウイルスにとどまらず花粉症やアトピー性皮膚炎などへの応用も始まりました。ダチョウの卵にどんな秘密があるのでしょう。「人類の救世主」がもつ驚くべきパワーに迫ります。