2014-04-14

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遺伝科学を用いて「スーパーライス」を開発!
国際的な取り組みで飢餓に苦しむ人たちを救う

名古屋大学生物機能開発利用研究センター
教授 芦苅 基行

21世紀のいま、人類はさまざまな問題に直面しています。地球温暖化や過度の開発による環境破壊、電力などのエネルギー不足……。なかでも深刻なのが食料問題です。飢餓やそれに伴う病気で亡くなる人は、増加する可能性が高まっています。名古屋大学の芦苅先生は「食料科学」からその克服に挑戦。伝統的な育種という手法と、最新の遺伝科学(分子生物学)を組み合わせた食料増産法を開発しました。研究成果を武器にたった一人で立ち上げたプロジェクトは、さまざまな機関を巻き込み、国際的な取り組みに成長しつつあります。

2014-03-31

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あなたの内なる時計は“いま何時”?
病気とも関係する体内時計の不思議に迫る

山口大学時間学研究所 教授 明石 真

私たちは、地球の自転が生み出す「1日」という時間に合わせて生活しています。その一方で、そもそも体には時間を司る遺伝子があり、ほぼ正確に24時間のリズムが刻まれていることは意外と知られていません。それが「体内時計」――体内時計とは脳で感じる感覚などではなく遺伝子によってつくられる生体機能なのです。近年、体内時計の研究が進み、メカニズムが解明されるようになりました。加えて、肥満や糖尿病、ガンといった現代病との関係も明らかになっています。「24時間社会」に生きる現代人にとって体内時計研究の重要性は高まっています。

2014-03-17

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「誰もが宇宙にいける時代」に向けて
私たちにできること

宇宙飛行士 山崎 直子

(この記事は動画でご覧いただけます。32min)
毎年のように活躍が報じられるようになっている日本人宇宙飛行士。山崎直子さんもそんな宇宙飛行士のお一人で、2010年、スペースシャトルに搭乗、国際宇宙ステーションにも10日間、滞在されました。「宇宙飛行士になるためにはどんな勉強をすればいいの」「宇宙飛行士の試験って」「宇宙ステーションでの生活は」・・・・・・どれも知りたい内容では? 「WAOサイエンスパーク」がみんなに代わって聞いてきました。

2014-03-04

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アイデア次第で可能性を広げる
モノづくりの“革新兵器”3Dプリンター

芝浦工業大学デザイン工学部 教授 安齋 正博

印刷するような感覚で立体物をつくることができる「3Dプリンター」に熱い視線が注がれています。家庭向けが登場したことによって、アイデア次第で誰もがメーカーになることも可能になりました。「モノづくり革新の秘密兵器」などと呼ばれるのは、そのためです。しかし、『未来型の装置』などではなく、技術自体は昔から存在していたことは意外と知られていません。こうした誤解がいくつかあるものの、モノづくりの可能性を広げていることは確かです。果たして3Dプリンターは、どんな可能性を私たちにもたらしてくれるのでしょう。

2014-02-17

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細胞が自分を食べる「オートファジー」
病気にも深くかかわる生命現象の謎に迫る

大阪大学医学部 教授 吉森 保

iPS細胞などの再生医療と同様、世界中の研究者がしのぎを削る、ホットな研究分野「オートファジー」。日本語では「自食作用」と訳され、細胞の中で行われるリサイクル・システムを指します。がんやアルツハイマー病といった病気の解明・治療にもつながると期待され、その研究はノーベル賞級といわれるほど。しかも、リードしているのは日本の研究者たちです。大阪大学の吉森先生もその一人。吉森先生と一緒に、さまざまな生物に共通した「根源的な生命現象」の謎に迫ってみましょう。