フロントランナー
ソーラーカーの世界大会5連覇の偉業を達成
研究・開発の成果を未来に活かす
東海大学工学部 教授 木村 英樹
2012年9月28日、南アフリカで実施された世界最長のソーラーカーレースで、東海大学チームがトップでゴールしました。この大会3連覇で、もう1つの世界大会であるオーストラリアでのレースも含め世界大会5連覇の快挙。「ソーラーカーには、私たちの未来に欠かせない技術がつまっている」とチームを率いる木村教授は話します。地球温暖化やエネルギー問題が叫ばれるいま、果たして、ソーラーカーの研究・開発にはどのような意義があるのでしょう。
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私たちの社会を変え、生活を豊かにする
“身につける(ウェアラブル)”コンピュータ
神戸大学工学部 教授 塚本 昌彦
人呼んで「ウェアラブルの伝道師」――。ウェアラブルとは「着用可能」という意味です。神戸大学の塚本先生は、近い将来、人々が小型のコンピュータやディスプレイを身につけ街を歩くようになる、と予言します。そんな時代が本当に来るのか、疑問を持つ人も多いでしょうが、決して大袈裟なことではありません。コンピュータの小型化は、私たちの想像を超えてはるかに進み、着実に生活を変えているのです。果たして、コンピュータはどこまで進化するのでしょう。
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最後の素粒子「ヒッグス粒子」の発見は
さまざまな謎の解明のスタート台
高エネルギー加速器研究機構
素粒子原子核研究所 教授 野尻 美保子
2012年7月、スイスにある欧州合同原子核研究機関は「新しい素粒子を見つけた」と発表しました。長年、世界中の科学者が追い求めていた「神の粒子」=「ヒッグス粒子」と見られる新粒子の発見です。これによって、その存在を予言した科学者たちのノーベル賞受賞は確実とさえいわれています。なぜヒッグス粒子は「神の粒子」とまでいわれるのか? そもそもどんな素粒子なのか? 野尻先生にわかりやすく解説してもらいます。
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生活と社会を激変させた青色LED
開発者のモットーは「人の役に立つ!」
名古屋大学工学部 教授 天野 浩
照明はじめさまざまな分野で活用されているLED(発光ダイオード)。なかでも、青色LEDは画期的な技術として知られ、それがなければスマートフォンなどは実現しなかったとさえいわれます。名古屋大学の天野教授は、この青色LEDの開発者の一人。ノーベル賞級といわれる技術はどのようにして生まれたのか。どんな苦労があったのか。困難を突破する要因とともに、LED技術のこれからについて、天野教授と探ってみました。(12年10月の記事。ぜひ、ご覧ください)
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進化するレスキューロボット
夢はロボットによる国際救助隊の実現
京都大学工学部 教授 松野 文俊
地震や火災、事故など災害現場で傷ついた人たちを救助するレスキュー隊。世界中で活躍しているが、“生身の人間”の力には限界があります。そこで、期待されるのが特殊な能力をもったロボット。レスキューロボット研究の第一人者・松野先生は、ロボットを中心とした現代版「サンダーバード」創設の夢を描いています。まだまだ実用化の段階にはないものの、一歩一歩進歩を遂げるレスキューロボットの最前線を松野教授に聞きました。