フロントランナー
ミドリムシが食料・エネルギー問題を解決!
大量培養の成功で「夢」が現実に
株式会社ユーグレナ 社長 出雲 充
ミドリムシが地球を救う! そう聞いても多くの人は「?」マークが頭に点ることでしょう。しかし、決してこれは大袈裟なことではありません。ミドリムシは食料、エネルギー、環境など世界的な問題を解決するカギになると期待されています。わずか0.05ミリの小さな生物が秘めた驚くべき可能性――。株式会社ユーグレナの出雲社長はそこに着目し、2005年、誰も果たすことができなかった屋外大量培養に世界で初めて成功しました。ミドリムシとは“何者”なのか。成功に至るまでの苦労など「過去」「現在」、そしてミドリムシ・ビジネスの「未来」は・・・・・・。
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蚊が血を吸うメカニズムの解明から
世界で一番痛くない針の開発に挑戦
関西大学システム理工学部 教授 青柳 誠司
「病気になったら学校を休むことができるけど、チクッと痛い注射はイヤ! 痛くない注射針があったらいいのになぁ」。小さいころ、そんなふうに思った人は多いでしょう。しかし、針で刺す痛みをなくすことは容易ではない――。多くの人が解決を求めてやまない、この難問に挑戦している研究者の一人が関西大学の青柳先生です。青柳先生が注目したのは「蚊」。その吸血メカニズムをヒントに無痛針の研究に取り組んでいます。蚊はどのように血を吸っているのか、果たして青柳先生はどんな注射針を生み出そうとしているのでしょうか。
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宇宙と地上とを安全に結ぶ宇宙エレベーター
SFの世界の乗り物が実現に向け動き出す
日本大学理工学部 教授 青木 義男
1961年4月、ソ連の宇宙飛行士・ガガーリンが初めて宇宙飛行を行いました。以来、半世紀以上が経過したものの、まだ私たちは安全に人やモノを宇宙空間に運べないでいます。宇宙には特別な訓練を受けた人でないと行くことができないし、そもそもロケットには爆発の危険が伴います。しかしいま、宇宙と地上を安全に往復できる“夢の構想”が始動。宇宙ステーションと地上とをケーブルで結び、昇降機が行き来する「宇宙エレベーター」――それはどのようなプランなのか、私たちは気軽に宇宙に行けるようになるのか。日本大学の青木教授に、宇宙エレベーター研究の最前線を聞きました。
フロントランナー(インタビュー・ムービー)
世界初! 小型ヒト型ロボットが宇宙に
開発者が語る「ロボットの未来と私たちの社会」
東京大学先端科学技術研究センター准教授
株式会社ロボ・ガレージ社長
高橋 智隆
(この記事は動画でご覧いただけます。30min)
2013年夏、小型のヒト型ロボットが国際宇宙ステーションに! 世界初の快挙で、ロボットクリエーターとして活躍する高橋智隆先生がロボットを制作を担当します。それはどのようなプロジェクトなのか、どんな困難が伴うのか。「将来、ロボットは身近な情報端末のような働きをする」と語る高橋先生に、プロジェクトの概要とともに、ロボットと私たちの未来についてもお聞きしました。
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若返りの方法がここから見つかる!?
不老不死の生物・べニクラゲがもつ驚異の力
京都大学フィールド科学教育研究センター
准教授 久保田 信
人類の永遠のテーマとされる「不老不死」。世界中に不老不死伝説が存在しますが、科学技術が進んだ現在でも、その夢は実現できていません。単細胞生物は分裂によって増えていくので、不老不死の存在といえますが、私たち人間を含む多細胞生物は性を獲得して以降、自分とまったく同じ遺伝子を残すことはできなくなりました。ところが、クラゲの仲間に、その例外がいることがわかった――。驚異の能力をもつ、その生物はどんな生態をしているのか、不老不死のクラゲの研究はどのような未来を私たちにもたらすのか。京都大学の久保田先生の研究をから見えてくるものは……。