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目指すはオリンピックの金メダル
町工場がつくるボブスレーで世界に挑む!
下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員長
株式会社マテリアル社長 細貝 淳一
長引く景気の低迷、産業構造の変化などにより中小企業の倒産が相次ぎました。日本を代表する中小企業の街・東京都大田区でも企業の数はピーク時の半分になっています。そんななか、1つの組織が立ち上がった。「下町ボブスレー」ネットワークプロジェクト――。大田区の中小企業の力を結集してボブスレーを製造、冬季五輪への出場を目指す、というものです。残念ながら、先のソチ五輪では夢は叶いませんでしたが、次のピョンチャン(平昌)五輪への出場は視野に捕らえた、といいます。下町ボブスレーの取り組みを通じて、日本の中小企業がもつ技とチャレンジ精神のすごさを見ていきましょう。
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“夢の車”の研究・開発が急加速!
自動運転は何を私たちにもたらすのか
同志社大学理工学部 教授 橋本 雅文
近年、自動車をめぐる最大の関心は省エネ・環境への対応でした。そこにいま、自動運転が加わろうとしています。ドライバーがハンドルを握らなくても走ってくれる“夢の車”――。究極ともいえる乗り物の研究・開発が急速に進んでいます。自動運転が実現すれば、交通事故の数は大幅に減少、渋滞なども解消できるでしょう。しかし、まだまだ課題は多い。どこまで技術開発は進んでいるのでしょうか。実現に向け、どのような研究がなされているのか。同志社大学の橋本先生と一緒に、自動運転の最前線を見ていきましょう。
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遺伝科学を用いて「スーパーライス」を開発!
国際的な取り組みで飢餓に苦しむ人たちを救う
名古屋大学生物機能開発利用研究センター
教授 芦苅 基行
21世紀のいま、人類はさまざまな問題に直面しています。地球温暖化や過度の開発による環境破壊、電力などのエネルギー不足……。なかでも深刻なのが食料問題です。飢餓やそれに伴う病気で亡くなる人は、増加する可能性が高まっています。名古屋大学の芦苅先生は「食料科学」からその克服に挑戦。伝統的な育種という手法と、最新の遺伝科学(分子生物学)を組み合わせた食料増産法を開発しました。研究成果を武器にたった一人で立ち上げたプロジェクトは、さまざまな機関を巻き込み、国際的な取り組みに成長しつつあります。
科学部探訪
全国屈指の「缶サット甲子園」強豪校
“逆噴射”の成功で優勝を目指す
和歌山県立桐蔭高校科学部「缶サット班」
広い日本にはすごい科学部がまだまだある! 今回は訪問したのは和歌山県の県立桐蔭高校だ。空き缶サイズの模擬人工衛星――缶サットと呼ばれるそれの、技術力や独創性、プレゼン力を競う「缶サット甲子園」の全国大会常連校で、過去には優勝と準優勝をそれぞれ1度輝いている。ことしも目指すは日本一だ! 缶サットとはどんなものなのか、それに取り組む難しさや喜びは……缶サットの魅力に取りつかれたメンバーの活動を一緒に見ていこう。
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あなたの内なる時計は“いま何時”?
病気とも関係する体内時計の不思議に迫る
山口大学時間学研究所 教授 明石 真
私たちは、地球の自転が生み出す「1日」という時間に合わせて生活しています。その一方で、そもそも体には時間を司る遺伝子があり、ほぼ正確に24時間のリズムが刻まれていることは意外と知られていません。それが「体内時計」――体内時計とは脳で感じる感覚などではなく遺伝子によってつくられる生体機能なのです。近年、体内時計の研究が進み、メカニズムが解明されるようになりました。加えて、肥満や糖尿病、ガンといった現代病との関係も明らかになっています。「24時間社会」に生きる現代人にとって体内時計研究の重要性は高まっています。